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トラブル事例集

ここではマンション大規模修繕で起きやすいトラブルや失敗事例を紹介。対処法や予防策についても解説しています。

大規模修繕工事で発生しやすいトラブル事例と対策

マンション大規模修繕は実際にスタートすると事前にしっかり準備や告知を行なったと思っても、想定外のトラブルやクレームが発生するものです。

以下に代表的な事例と対応策を紹介しますので、これから大規模修繕を計画している方はできるだけトラブルを避けるためにどうすべきかを把握するようにしてください。

工事から数年で外壁が剥がれ漏水が発生

Hマンションでは築12年になるため長期修繕計画の内容にしたがって大規模修繕工事を行うことになりました。初めてのことでしたが管理組合の方で工事業者を選定し、何とか工事を終えることができました。ところが施工の質が悪かったらしく工事から3年も経たないのに、外壁が剥がれてきて漏水も発生。別の業者で調べてもらったら使用されていた塗料が粗悪品だったことがわかりました。

【対処・予防策】
管理組合は建築のプロが集まっているわけではないので、見積金額だけで判断してしまい業者選びに失敗することがあります。費用も大切ですが、事前に同規模のマンションの施工実績があるか、アフターフォローの体制がしっかりしているかなどしっかり調査することが重要です。大規模修繕が初めてという場合は多少費用がかかってもコンサルタントを入れて業者選びのアドバイスをもらうとよいでしょう。

しかし、これでは万全とはいえません。 重要なのは業者選びです。

業者の選び方で劣化トラブルを防ぐことが出来ます。

では、どのような選び方をすれば良いのでしょうか、具体的に紹介していきましょう。

【業者選びで知っておくべきこと】

数年で劣化してしまう原因として、業者がしっかり計画通りに作業を行なっていない可能性があります。

もちろん、先ほどあげられた業者選びをする上でコンサルタントを入れたりする方法もありますが、万全とはいえません。

コンサルタントがいい加減に管理をしている場合があるからです。

そこで、次のようなことに注意をしながら業者選びを行うようにしましょう。

1、コンサルタントからは複数の業者を提示してもらう

コンサルタントが知っている馴染みの業者だけで依頼するのは、あまりオススメ出来ません。実績がある会社でも、コンサルタントの関係から仕事に対して手を抜いている場合があります。しかも、関係性ができているためコンサルタントが強く注意をしないケースもあります。

そのため、馴染みのある業者があったとしても、検討をする上で3つくらいの業者から見積もりを出してもらうと良いでしょう。

2、作業計画を提示してもらう

業者が行う作業は専門的な内容です。

しかし、その内容を全く知らない状態ではトラブルになる可能性があります。

どのような作業を行うのか、どんなリスクがそこにはあるのか? 

といったことを住民にわかりやすく説明するためにも、作業計画の提示はしっかりしてもらいましょう。作業計画を提出してもらうことで、作業の進行度がどこまで進んでいるのかを把握することが出来ます。また、もし手を抜いて作業をしている場合は、作業計画と照らし合わせることで、どこで不正を行っているか一目瞭然で把握することが出来るからです。

作業計画が専門用語でよくわからない場合は、コンサルタントの意見や一般人にもわかりやすく解説をしてもらうことで、「わからない状態」を極力減らしていくように心がけましょう。

マンション住人からのクレームで対応に苦慮

Fマンションでは事前に大規模修繕工事のスケジュールや工事内容を掲示板で告知。計画通り進んでいると思っていましたが、天候不順などの影響で工事に遅れが発生しました。その結果、住民から計画書の内容と違う、バルコニーが使えず洗濯物が干せない、遅くまでうるさいといったクレームが次々に発生してしまい対応に追われることになりました。

【対処・予防策】
大規模修繕工事は住みながら行うものなので、住民にいろいろと不便や制限を強いることになりストレスも溜まりやすくなります。告知した計画の徹底を努めるよう工事業者との連携を密にして、もし変更が起きた場合はスピーディに連絡することが重要です。工事の騒音や塗料の臭いなどあらかじめ想定されることは詳しく説明して、事前に話し合いなどして理解してもらわなければなりません

修繕積立金の不足で工事が進められない

マンションGでは新築時からずっと同じ修繕積立金額で大規模修繕の準備をしていましたが、いざ工事を進めようという段になって資金の不足から工事費を賄えないことが判明しました。工事を進めるために一時金を集めて対応することになりましたが、住民の中には不満や計画の甘さに不安を持つ人もいて後味の悪い結果となってしまいました。

【対処・予防策】
修繕積立金が不足するといった事態は決して珍しくないものですが、それが判明するタイミングによってトラブルの度合いも変わってきます。時間に余裕が無い場合は修繕工事を延期しなければならないことも出てきます。長期修繕計画は少なくとも5年に1回は見直し、資金不足が予想される場合は、しっかりと説明した上で途中で積立金額を値上げするなどして住民の理解を得ることが大切です。

売買契約時には聞かされていなかった一時金の徴収

Sマンションでは管理会社から長期修繕計画を見直したという結果の報告を受けたのですが、想像を超えた内容に家族一同驚きました。その内容とは、現在の長期修繕計画および修繕積立金のままでは、大規模修繕工事の際に1世帯あたり約40万円の一時金を徴収するという内容でした。

【対処・予防策】

分譲契約時に提示されていた長期修繕計画案に、一時金徴収の予定は記載されていたはずです。おそらく、引き渡し後5年を経過するその日まで気づかなかったということだと思われます。正直なところ、売買契約時に管理組合運営に関わる情報を引き渡されているのですが、その時点では買うということに意識は向いているので、そういった部分にまで目が行き届かないというのはよくある話です。とはいえ、管理組合が自発的に見直しをしない限りは、売主から引き渡された事案は全て実行されることになってしまうのです。管理組合の配慮という部分はかなり必要となるのですが、その前に新築や中古問わず、マンションの売買契約における重要事項説明で、管理組合のことや維持管理に関する細かい詳細をしっかりと説明するべきでもあるのです。今の不動産業界はまだまだ情報提供が遅れています。管理組合が自ら情報を集め、自分で守らなければならないというのが今の現状でもあるのです。

管理会社と業者の不正

Jのマンションでは、一時金が不足していることで再徴収がありました。

設備を充実させるために、計画よりも費用を多く徴収してマンションの大規模修繕費に充てるケースは少なくありません。不足している原因としては、管理会社の管理能力が欠けていることが挙げられていますが、ここではそのようなことではありませんでした。

受注した業者と管理会社が談合して予算を釣り上げていたのです。そのため、追加で費用を徴収することをしなくても、大規模修繕工事が可能であることがわかりました。

しかし、工事が終わってから発覚したことだったので、住民が無駄な負担をするだけになってしまいました。

【対策・予防策】

ここ最近、見過ごせないトラブルになっている管理会社と業者の不正問題。

事件に発展しているものも登場しているので、見過ごすことはできません。

しかし、専門的な知識がなければ、このようなトラブルが実際に発生していたとしても、どのように対処すれば良いのか分からないと言えるでしょう。

また、どのようにすればこのような問題を見破ることが出来るのか? といった疑問を抱いている人もいるかもしれません。

それでは、どのような対策が必要なのでしょうか。

1、管理会社に丸投げをしない

管理会社に丸投げをしてしまうと、このような不正が起きてもわからないケースがあります。

大規模修繕工事を行い際は、管理会社に丸投げしてお金だけを支払うという姿勢ではなく、住民も積極的に参加をする必要があります。

この時、管理会社にどのような計画で検討し、どのような業者にどのような仕事を依頼し、どれくらいの期間で工期を考えているかしっかり提出させると良いでしょう。

その際、計画だけではなく具体的な予算の提示も必要です。

このようなことを住民側がしっかり行えば、不正を行うことが出来ない環境に作り変えることが可能になります。

2、第3者の意見をもらう

予算の提示をされた場合でも、細かい情報は専門家でなければ不正を働いているかどうか見破ることが出来ません。もし、一時金が必要な場合や、予定していた相場よりも明らかに高額担っている場合は、冷静な意見として第三者の専門家のアドバイスを聞くと良いでしょう。

この時、コンサルタントや、専門的なアドバイスをしてくれる人にお願いをするとオススメです。ここ最近トラブルが増えているので、ネットで検索をすればこのような専門家は多くみつかります。また、1人の専門家だけでなく、2〜3人に意見を聞けば平均的な意見を知ることが出来るので、1人でも不安と感じるのであれば何人かに意見を聞いてみましょう。

その上で、依頼をするか検討をしましょう。

3、管理会社の立場を明確にしておく

不正を起こしやすい要因の1つとして、管理会社の立場が曖昧な場合が多いという点もあげられます。管理会社の立場を明確にしておけば、それ以上の行動が出来ないよう制約することもできます。そのことで、管理会社主導ではなく、住人主導の工事が実現出来るわけです。

もちろん、マンションによっては管理会社主導でやってもらった方が良いという場合もあります。しかし、そうだとしても管理会社がどこまでやるのかを明確に決めておきましょう。

例えば、次のような位置付けがあります。

・管理会社は業者を依頼して、決定は住民に任せる

予算が高すぎると住人が拒否する場合があるので、このやり方を採用することで管理会社と業者の不正を未然に回避することが出来ます。

・管理会社は、あくまで橋渡し役

管理会社は、業者を斡旋するだけに制約をすれば、予算でトラブルになることはありません。

橋渡し役なので、予算の調整は住民組合との話合いになります。

この時不安であれば、コンサルタントをつけて意見を聞くのも良いでしょう。

このように、住民側が積極的に参加をすることで、不正のトラブルは事前に回避することが出来ます。また、少しでもおかしいことは説明を求めることや、第三者の意見を聞くことも重要です。

不正をする気はなくても、よくわからない作業工程や予算感は専門家でなければわかりません。

しかし、分からないからといっておまかせするのでなく、住民も不正を起こさないように積極的に監視することも重要であると言えます。

管理会社がずさん過ぎて困る

マンションKの管理会社がずさん過ぎて困っています。連絡も遅いし、苦情の対応に何も応じてくれません。他の管理会社もこんな感じなのか気になるところでもあります。

【対処・予防策】

正直なところ、全てが管理会社の不備ということではありません。ただ、住居人が苦情を言いたくもなるケースも当然のようにあります。それと、中には管理組合が根本的な管理を理解していないことも十分にありえます。基本的に、管理組合というのは管理会社に管理業務を委託しております。管理組合は発注主であるため、委託した業務を監視して指示や指導を行わなくてはなりません。しかし、委託契約に含まれていない業務を行ったり、自発的な提案を期待することで、結果的に「管理会社はろくに何もしてくれない」と勝手に苦言を呈する場面も多々あったりするのです。そもそも、管理会社には管理費としてお金を支払っているので、何かしらの過大に期待してしまうというのは無理もありません。一般的な業務すら行わない管理会社であるのでしたら、管理組合に訴え出ることで何かしらの対処はしてくれることでしょう。

大規模修繕工事中に業者が倒産した場合はどうなる?

あってはならないことなのですが、マンションの大規模修繕工事中に業者が倒産したらどうなるのかと考えるときがあります。もし、業者が倒産してしまうとどのようなことが起こり、マンションの管理組合はどのような対応をとればいいのでしょうか?

【対処・予防策】

業者が倒産をしてしまった場合、修繕工事に使う資材の入手が困難になるということがまず考えられます。また、作業する人材に対しても給料が支払われていない可能性も大きいですので、修繕工事の継続はまず難しいでしょう。会社が倒産をしてしまった後の流れとして、業者は裁判所へ申請し破産手続きを取ります。破産管財人が選任され、その後のやり取りは全てこの破産管財人が行うことになります。破産管財人というのは、現在進行中である大規模修繕工事を続行するか辞めるかを決めることができ、一般的には完成間近でない限り工事は中断され、請負契約も解除される可能性も大きいと考えられます。また、請負契約が解除される前に、マンションの管理組合から契約解除を申し出たいという場合もあります。その場合、窓口になるのはやはり破産管財人であり、業者とのやり取りも一切できません。契約解除が認められたなら、前渡金と工事の出来高の精算をすることになります。そこで、工事があまり進んでいないのであれば過払い金の返金を求めるのですが、こちら側の請求金額通りに返ってくることはまずないと思った方がいいでしょう。といったように、大規模修繕工事中に業者が倒産をした場合、予定通りに工事が終わることはほとんどありません。では、マンションの管理組合はどのような対策を取っておけばいいのでしょうか?

まず1つ目として、業者選びだけは慎重に行わなければなりません。そこで、技術面に関しては施工実績の確認が必要となります。過去3年間に同じような規模のマンションの大規模修繕工事を何件やったかということで確認ができるでしょう。そして、業者を選ぶ際に一番気になるのが見積金額です。大規模修繕工事は金額がかなり高額になってきますので、少しでも安く請け負ってくれる業者を選びがちとなります。そこで見落とすことが多いのが業者の決算書です。一般的に、入札前には施工実績と同じように過去3年分を出してもらうことになります。とはいえ、普段から目にすることのない決算書は素人にはわからないものです。そのような場合、マンション管理組合員の中に一人は会計に詳しい人がいると思いますので、その人に一任してもらえばいいかと思われます。それでもいないようであれば、会計士といった専門家に相談して確認してもらえばいいでしょう。

次に、建設業法第21条には、工事費用を全額または一部前払いした場合は、保証人を立ててもらうよう請求ができることを認める内容になっています。仮に、請負業者が拒否した場合は工事費用の全額または一部の前払いはしなくても良いともされています。ちなみに、連帯保証人は一般的に同業者の建設会社になっていることが多く、金銭面の保証に変わって工事を引き継ぐというのが通例になっているのです。

最後に、先ほども述べましたが業者の倒産アクシデントを避けるためには、決算書の確認ということがありました。しかし、しっかりと確認をしたところで見えない部分というものがどうしても出てきてしまい、回避ができなかったということも多々あります。また、連帯保証人に関しても今回のように金額が高額の場合、連帯保証人がすぐに支払ってもらえるかもはっきり言ってわかりません。そこで、倒産のリスクをスムーズに回避できるものがあり、工事の途中で倒産しても保障をしてくれるという画期的なシステムが存在してくるのです。「工事完成保証」というもので、その保証内容も保険会社によって変わってきます。大きく分けると2つのパターンが存在し、一つ目は前払いしたお金と出来高の差額が返ってくるというパターンです。もう一つが、保険会社に加盟している業者に工事を引き継いでもらうというパターンです。ということは、後者のパターンを選べば万が一のことがあっても滞りなく工事が完成するということになります。これに関しては業者が加入する保険であり、保険に入っているということがきちんと確認できればひとまずは安心ができるということでもあるのです。

それと、もう一つ同じような保険に「大規模修繕瑕疵保険」というものもあります。これは、大規模修繕工事の際に雨漏りやタイルの剥がれ、配管の破損などのトラブルが起こったときのための保険となります。業者が工事の際に保険会社の現場検査を受けるというのが条件で、キズや欠陥などが後から発覚した場合に、その修繕費用の80%が支払われることになるのです。ちなみに、この大規模修繕瑕疵保険は義務ではありません。予算に余裕があったり、万が一のことを考えて入るという人も中には存在してきます。もし、このようなトラブルに不安を感じるのであれば、大規模修繕瑕疵保険に加入すればいいのではないかと思われます。

住民の意見がまとめられない

Yのマンションでは、工事を行う際多くの住民から反対の意見があった。

そんな工事をやっても意味がない。工事をやったら、クレームを入れる。訴えるなど、

とてもではないが、やったら確実にトラブルにつながることがわかり、修繕工事が必要でも住民から強い反対があるのでは、強行することが困難です。そのため一時的に諦めることにしました。

【対策・予防策】

大規模修繕工事を行うとしても、住民の意見が1つになっていなければ工事は困難になると言えるでしょう。もし、強行で工事を行えば住人から多くのクレームを受けることが予想されます。場合によっては、訴訟問題へと発展し、工事どころではない事態も予想されます。

そのため、住民に理解をしてもらうことも大切です。

1、長期間にわたり、説明会を行う

何故、大規模修繕工事が必要なのかを住民側にしっかり説明する必要があります。

1度だけの説明会にすると参加出来ない住民が不満を言う可能性があるので、何回かに分けることをオススメします。何度も説明会を丁寧に行えばわからなかったという理由で反対することは避けられます。

また、この時に専門家を呼んで現状のままだとどんなリスクがあるのか? といったことを詳しく説明すると良いでしょう。

2、多数決を行う

意見が分かれていなくても、本当に工事を行ってよいか多数決を行うことも重要です。

全員が同意をしてもらえれば、工事を妨害されることはありません。

また、不満がどれくらいあるのか? ということを事前に把握することができるので工事をスムーズに進めるためにも、住民の意見を聞くことは大切であると言えます。

まだまだある!マンションの修繕トラブル

マンションの修繕で起こりやすいトラブル事例を紹介しました。しかし、これらのトラブルは氷山の一角にしか過ぎません。まだまだ多いトラブルケースを見てみましょう。

プライバシーのトラブル

マンションなどの大規模修繕工事では、足場を設置してから工事を進めます。そのため、作業個所によっては、足場から住宅内が丸見えになってしまうのです。工事を始める際にカーテンを閉めるように通達しているマンションもありますが、それが徹底されずトラブルに発展する事例が後を絶ちません。 大規模修繕業者によっては、カーテンが開いている場合でも室内に視線を向けないよう指導されています。しかし、職人さんは壁の状態などを気にしながら歩いているので、カーテンの開いた室内はどうしても視線に入ってしまいます。業者だけではなく、住民側の配慮も必要となるのです。

臭い、騒音問題

どのような修繕であれ、工事には臭いや音が必ず発生します。近年では作業音の小さい機械や、臭いの少ない塗料なども多くなりました。ひと昔前と比べて臭いや騒音に関するトラブルは減ったものの、住民にとってストレスとなるのは紛れもない事実です。大規模修繕を始める際は、音や臭いを発する作業のスケジュールなどを把握し、住民にしっかり伝えておくようにしましょう。スケジュールを前もって把握しておけば、工事中だけの間は、外出したり、洗濯物をしまったりと住民も事前対応を施します。
全ての住民への通達が難しいという場合は、工事のスケジュールをエレベーターホールなどの共有部に貼りだしておくといいでしょう。

空き巣被害

防音シートや足場が設置されたマンションは、空き巣にとって格好の侵入経路です。大規模修繕業者では足場の入り口部分はしっかり施錠を行ないますが、プロの空き巣ならいとも簡単に侵入できるでしょう。そのためにもセキュリティ対策は万全にしておくことが求められます。
大規模修繕業者によっては、足場に徹底したセキュリティ対策を施しています。人感センサーが搭載され、侵入を検知すると光やアラームで警告を発する防犯システムも登場しており、非常に高い防犯効果を誇っています。搭載されているカメラによって犯人の姿を録画することもできるので、早急な事件解決が期待できるでしょう。 防犯カメラで気になるプライバシーの問題ですが、カメラに写り込んだ室内にはマスキング処理が施されるので、プライベートを撮影される心配もありません。

近隣トラブル

大規模修繕工事のスケジュールをマンションの住民だけではなく、近隣住民にも伝えておくようにしましょう。工事スケジュールを把握していない近隣住民にとって、突然の工事音は大きなストレスとなります。外壁塗装の場合は臭いが強く、ベランダに洗濯物が干せなくなる場合もあり、生活リズムを大きく狂わせてしまう恐れがあるのです。工事前は最低でも8軒隣の住宅までに、挨拶周りをするようにしましょう。大規模修繕業者によっては、挨拶周りを代行してもらえます。しかし、トラブルを未然に防ぐためにも、管理者自らが挨拶に出向くようにしましょう。

駐車問題

工事現場には機材車や運搬車など、数多くの車両が出入りします。大規模修繕工事になると、必要となる車両台数も増えるでしょう。それで起こりやすいのが駐車問題です。駐車場が設備されているマンションでも、大型車両には対応していないケースが多々あります。路上駐車などのなると、マンションや近隣の住民に大きな迷惑がかかるため、駐車場所は前もって確保しておくようにしましょう。

修繕トラブルが起こりやすい個所も事前にチェック

業者が原因となるトラブルもあるが、修繕個所の状態によっては思わぬ修理が必要となることもあります。
それによって予想以上の費用がかかることもしばしば。このようなトラブルが起こりやすい個所を見てみましょう。

外壁タイル

剥がれといった症状が見られやすい外壁タイルは、比較的簡単に修繕が行なえます。しかし「ジェンガ」と呼ばれる不良施工の症状が見られると、コンクリートの補強が必要になるのです。このジェンガは目視では確認ができず工事中に発見されることが多いため、工事費が見積りよりも高くなってしまうケースがあります。

耐震スリット

マンションの強度を保つために大切な内部構造は、劣化や不具合が最も分かりにくい場所です。マンションの多くには耐震スリットという機能が設置されています。耐震スリットは地震で大きな揺れが生じた際に、振動を吸収しマンションの倒壊を防ぐ役割を果たす機能です。柱や腰壁の間に設置されています。
この耐震スリットが劣化していたり、未設置だったりしているマンションは多く、修繕工事の際に発覚することも多々あるのです。耐震スリットは後から設置することも可能ですが、工事費が高額になる恐れがあるため事前にチェックしておきたいポイントになります。

トラブルを未然に防ぐために

これらのトラブルは、工事業者とのコミュニケーション不足が原因で起こることが多いです。大規模修繕について不明点があれば逐一確認し、工事の内容を明確にしておくことが求められます。管理組合や工事業者との定期的な会議も、トラブルの防止策として効果的です。

施工主側が意識を持つことも大切

失敗のないマンション大規模修繕は業者のサポートが最も重要です。だからといって、全ての責任を業者に任せっきりにするのも良くありません。大規模修繕で施工主が気を付けておきたい心得を解説します。

トラブルに遭わないための心得

建物の検査は専門家に見てもらう

剥がれやヒビといった一目見て分かるような劣化症状が見受けけられた場合、マンションの様々な部分で劣化が進んでいる恐れがあります。自分だけで修繕プランを決めるのではなく、専門家の調査を行なった上でプランに関するアドバイスを聞きましょう。
設計管理方式を採用している業者であれば、調査から工事まで徹底した監理の下で進めることができます。チェック作業も第三者機関が請け負うため、施工不良といったトラブルが起こる心配もありません。

予算に関する下調べを徹底する

せっかく大規模修繕を施すのであれば、隅々までしっかり修繕してほしいものです。しかし、予算に関する下調べがままならない段階で、工事プランを決めてしまうと料金トラブルの元になりかねません。複数社の工事プランや費用をしっかり比較・検討するようにしてください。 場合によっては工事を取りやめて、計画から検討しなおすのも効果的な手段です。

居住者の意見も尊重する

マンションは一般住宅とは違い、多くの居住者がそれぞれの生活を送っています。共有部などの修繕は居住者全員の問題になることを忘れてはなりません。大規模修繕について住民と話し合う機会をつくり、それぞれの意見を集約することが大切です。建築に関する知識がなく、意見の集約が難しくなることもあるかもしれません。そのような場合はコンサルタント部門を設けている大規模修繕業者に依頼し、話し合いの場に立ち会ってもらうことでスムーズに進行できます。

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