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マンション大規模修繕マニュアル・工事の流れとポイント

ここでは、マンションの大規模修繕の進め方や注意すべきポイントなどについて解説しています。

マンション大規模修繕工事の大まかな流れ

マンションは建てた瞬間から劣化が始まります。長期間放置してしまうと様々な不具合が起きるため新築から12~13年、もしくは前回の大規模修繕から10年程度のタイミングで大規模修繕を行う必要があります。

大規模修繕は闇雲に工事を行えばよいということはありません。修繕積立金を管理して長期修繕計画にしたがって慎重に進めないと失敗する可能性もあります。

大規模修繕の時期が近づいてきたら最初に行うのは建物診断です。これはどのような修繕が必要かを把握するために行うもので、客観性を持たせるのであれば専門業者に依頼するのがよいでしょう。

次にどの業者に依頼するかを検討します。依頼先としてはマンションの管理会社、ゼネコン、修繕の専門会社などが考えられますが、できるだけ信頼できるところをピックアップします。

ある程度、業者の絞り込みができたら複数に見積り依頼をします。単純に費用が安いということだけで判断するのではなく、施工技術や実績、プレゼン内容など総合的に比較することが重要です。この時、修繕プラスαで改修工事が必要かどうかも検討します。

工事がスタートしたら住人へのケアを忘れてはいけません。また監理と呼ばれる工事中の進捗・状態チェックが必要になります。これは建築士しかできないため場合によっては設計事務所などの専門業者に依頼します。

修繕工事が終わってからも、アフターメンテナンスがあります。業者に定期点検をしてもらいながら、必要箇所を補修したり次の大規模修繕に備えます。

こうした一連の流れはだいたい10年周期で繰り返されます。どのように進んでいくのかを把握しておけば大規模修繕をスムーズに行えるようになるのでしっかり頭に入れるようにしてください。

各段階でどのようなことに注意すればよいかは、さらに詳細に解説していますので大規模修繕の進め方に悩んでいる方は参考にしていただければ幸いです。

価値を高めるには?

マンションの大規模修繕工事は、建物の耐用年数を延ばしたり、そこに住んでいる人の快適性を高めたりといった効果もありますが、マンションの価値を高める効果もあるのです。マンションは、時間が経つとともに劣化し、その価値は減少していきます。そういった価値の減少を、大規模修繕工事によって食い止め、高めることが出来るのです。

マンションの価値を高める修繕工事としてまず挙げられるのが、外観の印象を良くする工事です。いくら設備が整っていて、住みやすいマンションでも、外壁にひびが入っていたのでは、入居する気になれないでしょう。外壁が整っていないと、実際にはそんなに脆くなくても、何となくいつ崩れてくるのか分からないような不安を与えてしまいます。そうなると、マンションの資産としての価値も下がってしまうのです。ですから、まずは外観を整える修繕工事を行いましょう。

資産価値を高めるような大規模な修繕工事を行うなら、耐震性能やバリアフリーなどにも気を配る必要があります。今では、そういった事にも十分に配慮されたマンションやビルも少なくありませんから、そのための修繕工事なら住人の理解も得やすいでしょう。反対に、そういった事が出来ていなければ、資産価値はどんどん下がってしまいます。

また、こういった物件的な価値だけでなく、生活価値にも配慮して大規模修繕を行いましょう。マンションの価値の一つに入居率があります。いくら立地が良くて綺麗なマンションでも、住みにくければ住民が定着してくれません。空室だらけのマンションでは、資産価値も低くなってしまいます。入居者の気持ちを考慮した修繕工事を行うことで、新築のマンションにも劣らないような競争力を発揮することも可能です。一度入居したら出たくなくなるような修繕を心がけましょう。

維持するための対策

マンションの大規模修繕工事は、その資産価値を維持するのに役立ちます。マンションやビルなどの建物は、年月が経つとどうしても劣化してきてしまいます。特に、築後10年以上経つと、内外共に汚れや劣化が目立ってしまうものです。それらを修繕し、さらに時代に合わせて変化させていく事で、資産価値を維持することが出来るのです。

修繕をせずに放っておいたら、そこに住んでいる住民の満足度はどんどん下がってしまいます。コンクリートの亀裂から生じる水漏れや防水などの性能の維持、外観の補修といった修繕を怠らない事が大切です。マンションが劣化していくと、そこに住んでいる人の気持ちも劣化していきます。資産価値を維持するためには、そこに住んでいる人の気持ちになる事が大切なのです。

また、資産価値や住民の満足度を維持するためには、そのままの状態を維持するだけでは足りません。オートロック設備や防犯対策、インターホンやエレベーターなどの設備に関して、時代の変化に対応した修繕が必要なのです。周りのマンションがどんどん便利になっているのに、自分が住んでいるところが旧態依然としていたのでは、資産価値は維持できません。資産価値を「維持」していくためには、時代に対応した「変化」を取り入れる事が必要なのです。そうやって、マンションを住みやすい健全な状態に保つ事で、資産価値を維持することが出来るのです。

計画的に行う事がコストの削減につながる

マンションの資産価値を維持・向上させるために、修繕工事は必ず必要になるものです。ですが、そういった工事を行うためには費用が必要になります。資産価値を高めても、それ以上に費用がかかってしまっては意味がありません。出来るだけ修繕工事のコストは抑えたいものですね。そのためには、計画的に修繕工事を行う事が大切なのです。

マンションの大規模修繕工事は、およそ12年周期で行われる事が多くなっています。もちろん、マンションの劣化の度合いは建物の構造や立地条件、普段の管理状態などによって異なりますが、12年周期で修繕を行う事が多いのです。ここで大切なのは、12年という年数ではなく、周期的に修繕を行うという事です。周期の年数は劣化の状態を理解して決めればいいのですが、計画的に周期的に行うことが肝心になります。ちなみに、12年周期になる事が多いのは、平成20年に改正された建築基準法に、「タイル貼り・モルタル仕上などのマンションは、建物の竣工、改修などから10年を経ている場合は、3年以内に外壁の「全面打診調査」を実施しなければならない」という決まりが出来た事が関係していると考えられます。

それはさておき、周期的に修繕を行う事が大切なのは、マンションの不具合を事態が大きくなってから対処したのでは、かえってコストがかかってしまうからです。急な改修を依頼するよりも、あらかじめ計画的に実施する事にしていれば、修繕を行う会社もコストを考えてじっくり吟味することが出来ますし、交渉もスムーズに進みます。だから、マンションの大規模修繕は、計画的に行う事が大切なのです。

修繕のタイミングと進め方

マンションの大規模修繕は、どんなマンションであっても一定の間隔で行う必要があります。一般的に実施するのは新築から12~13年に1回、もしくは前回の大規模修繕から10年程度経過したタイミングです。基本的にはマンション分譲時にデベロッパーが作成した長期修繕計画を参考にして計画が進められます。長期修繕計画の中には30年くらい先の工事などが記載されているはずですが、必ずしもマンションの劣化が予測通りに進むわけではありません。5年に1回程度は劣化の状態をチェックしたほうがいいでしょう。ここでは修繕委員会やマンションの寿命や建て替えの費用などの内容を紹介します。大規模修繕を上手くすすめるためにも参考にしてくださいね。

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現場調査(建物診断)

マンションの大規模修繕を実施するにあたっては、前もって管理組合でどのような箇所の修繕工事をした方が良いのか把握することが重要です。そのために必要となるのが、建物診断(現地調査)です。屋上やバルコニーは主に防水層の劣化が調査対象になります。劣化があれば、雨漏りなどの原因になるので注意が必要です。外壁では剥がれやヒビがないか、カビやコケなどの汚れがないかをチェックします。ほかにも、外部設備や給排水設備などもチェックします。細かな点検を行う建物診断は専門的な視点が必要となるため、知識のまったくない管理組合だけで行うことは難しいはず。したがって外部に委託するケースがほとんどです。マンションの管理会社や第三者のコンサルタント会社などに委ねましょう。

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業者選び

建物診断(現地調査)が終われば、大規模修繕工事の必要箇所がハッキリわかります。そうなれば次に、大規模修繕工事をどこに依頼するか決めなければいけません。よく大規模修繕工事を行う会社は、初めから決まっていると思っている方も多いですが、それは間違いです。マンションの管理会社、マンションの総合請負業者(いわゆるゼネコン)、修繕を専門に扱っている会社の3つがあり、そこから自由に選ぶことができます。管理会社にそのまま丸投げしてしまうと、工事費が割高になってしまうことも多いため、管理組合が主導して、どこに依頼すると良いのか客観的に判断することが大切です。手抜き工事を行うような悪徳業者も多いため、より慎重に業者選びを行ってください。

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マンション大規模修繕の費用相場と見積書のチェックポイント

マンション大規模修繕の費用を少しでもリーズナブルで、質の高い工事を行ってくれる会社に依頼するためには、見積書などはしっかりチェックすることが大切です。安易に安い価格を提示してくれる会社に依頼すれば良いということではないため注意しましょう。費用の相場などと比較し検討してください。

また、積立金だけでは大規模修繕費用が不足してしまうことがあります。その際には積立金を値上げするなどの対策を講じなければなりません。また大規模修繕費用を抑えられないか、再度見直すのも一つの手でしょう。数社から見積もりをもらえば、項目ごとに表を作成し比較してください。もし「〇〇工事一式」という記載があれば、きちんと内訳を説明してもらいましょう。

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改修工事の検討

築年数が浅いマンションのうちは問題がありませんが、年数が経過すると陳腐化し、資産価値を下げてしまう危険性があります。たとえば数十年前にはなかった設備が今では当たり前に導入されているというのもよくあることです。そのため、資産価値を維持したいのならマンションでは修繕工事に追加する形で、現在のマンション性能の水準に合うような改良や変更を行うことが大切です。こうしたマンションをグレードアップするための工事を改修工事と呼びます。バリアフリーかどうか、防犯設備が十分かどうか、エントランスの陳腐化、共有スペースの機能の陳腐化、外観イメージの陳腐化など、優先順位を決めながら費用が高額にならないように注意しながら工事内容を検討してください。

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工事中の確認点

ここでは「監理」についての概要、設計監理方式と責任施工方式の違いなどについて紹介します。監理と管理を同じような意味と思っている人も多いですが、二つは全く違う意味です。監理は建築士法で明確に定義されており「建築士の責任のもとで工事を設計図書と照合、それが設計図書通りに実施されているかどうか確認すること」とあります。つまり建築士でなければ監理することはできません。一方、管理には工事管理を行う人に対し法律上の定義はないのです。次に設計監理方式と責任施工方式ですが、それぞれにメリットがあります。設計監理方式なら厳正な客観的チェックが行える、責任施工方式ならコミュニケーションがとりやすいと言った点がメリットになるでしょう。

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住人へのケア

マンション大規模修繕は、そこに居住している住民への配慮が必ず必要です。そのためマンション大規模修繕が決定したら、少しでも早い段階で日程などのスケジュールを住民に周知させましょう。説明書類をポスティングする、掲示板に張り出す、必要に応じて個別訪問するなどを行い、全住民が把握できるように対策を行ってください。マンション大規模工事の際に住民の負担を軽減するような工法もあるので、見積もり時やプレゼン時に確認しましょう。また住民が気になる点はプライバシーが守られるのかどうかです。修繕工事の際に工事関係者が立ち入るスペースもチェックすることが大切です。ほかにも防犯対策なども考えておかなければ、思いもよらない事件に巻き込まれる可能性もあるので注意してください。

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アフターメンテナンス

マンション大規模修繕工事が終了したとしても、施工会社と付き合いが無くなるわけではありません。次回の大規模修繕工事まで、マンションの定期的な点検とメンテナンスが必要だからです。定期点検のタイミングや実施内容は施工会社によって異なりますが、工事の保証年数に沿って実施されるのが一般的でしょう。施工会社を選ぶ際にアフターメンテナンスも丁寧に実施しているかどうかも重要なポイントです。メンテナンス体制がどうなっているのか、点検するタイミングが明確か、瑕疵保証制度に加入しているかなどをチェックしてください。もし信頼する施工会社が見つかった場合には、念のためメンテナンスの内容も確認すると良いでしょう。

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無駄を省いて費用負担のないマンション大規模修繕を施す

マンション大規模修繕を行う際に確実に問題になるのは費用面。マンションの大規模修繕にかかる大まかな費用目安は「マンションの部屋数×100万円」と言われています。しかしマンションの状態によっても費用は大きく左右されるので注意してください。費用が工面できないオーナーも意外に多く、工事の日程を遅らせる、金融機関から借り入れるなどの対策を行っているケースも多々あります。資金不足を起こさないためにも長期修繕計画を見直すことも重要です。住民への負担をかけないような修繕積立の設定も見直すようにしましょう。大規模修繕工事の工法によっても費用は大きく変わるので相談してみてくださいね。費用削減できるポイントをしっかり押さえましょう。

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資産価値を高めるビルのリノベーション

リノベーションは改修工事のようなものです。リフォームは修繕工事と同じ意味で、不具合のある個所を修理することを指します。一方リノベーションは、革新という意味合いが含まれており、ビルの価値を高め新しい機能性や現代的な内装に取り入れることで、革新的なビルへ生まれ変わらせることです。ビルの経営の場合、立地によって空き室が目立ってしまい、賃料を低めに設定したところで借り手が見つからないようなことがあるでしょう。ビルの空き室対策を行うためにも、賢くリノベーションを行なうことによって空き室の改善をすることができます。見積もりを取る際には現地調査を行ってもらい、複数の会社に見積もりをもらうようにしてください。

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談合されないために

談合という言葉をニュースなどで一度は耳にしたことがあるでしょう。競争するはずの業者同士が手を取り合って事前に工事費用を設定していまい、業者側が儲かるように高めの費用を設定することを談合と言います。談合が行われてしまうと管理会社は必要以上の金額を支払うため損をしてしまうでしょう。こういった談合はマンションの大規模工事でも度々行われているようです。談合されないためにも妥当な設定価格を定めてください。また複数の業者に見積もりを出してもらいましょう。少しでも怪しいと感じたら、そのまま進めるのではなく一旦白紙に戻すことも大切です。マンション大規模修繕で談合を阻止するためにも、しっかり談合の知識を深めてください。

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大規模修繕の工事内容をチェック!

マンション大規模修繕の工事は仮設工事からスタートします。仮設工事とは工事を円滑に進めるために一時的に設ける設備や施設のことです。たとえば足場を組む、侵入防止のフェンスを設置する、資材置き場や仮設トイレ、作業員詰め所などを設置するなどを行います。次に下地補修工事を行い、建物の床や天井、壁などを点検した後で補修が必要と判断された箇所にポリマーセメントペーストやエポキシ樹脂などの補修材を擦りこんでいきます。塗装工事、シーリング工事、防水工事、建具・金物工事、設備工事など必要に応じて実施されるでしょう。長期的視野で修繕が良いのか、改修にするのか検討してください。バランスをよく、修繕と改修を行うことが大切です。

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一般的なマンションの大規模修繕工事で快適に過ごすには?

マンション大規模修繕工事を行う際には、騒音が必ず出てしまいます。快適に過ごすためには早めに工事日程を把握し、外出するなどの対策も一つの手です。しかし外出が常にできるわけではないため、耳栓やイヤーマフ、ヘッドフォンをするなどの対策もあります。また大きな効果はないかもしれませんが、防音カーテンや遮音カーテンも販売されているのでチェックしてみてくださいね。また防音以外にも物が落ちるなどのリスクもゼロではありません。十分落下物に注意するようにしましょう。さらに災害発生時にも柔軟に対応ができるように、いざと言う時の体制を整えておくことが大切です。

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マンションの大規模修繕をするなら外壁防水塗装も一緒に!

大規模修繕を行う際、マンションの住民に対し工事の進捗状況を定期的に伝えることが大切です。工事の間住民は不自由な生活を強いられてしまいます。まだ終わらないのかイライラしてしまえば、クレームに繋がりかねません。こまめに伝えることによって、住民に対し安心感を与えることが出来るでしょう。外壁防水塗装も大規模修繕時に行うことによって、足場を組みなおす手間が省ける、住民の負担が軽減できるなどメリットが大きいでしょう。足場を組む費用は意外に高額です。それが1回で済めば経済的負担を少なくできます。もちろん住民にとっても生活への負担が減らせるのでメリットになるでしょう。建物の劣化を少しでも防ぐためにも外壁防水塗装も行うようにしてください。

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回数によって変わるマンション大規模修繕のポイント

年数が経過することによって設備が劣化していくのは当然です。劣化を少しでも遅らせるために定期的にメンテナンスを行う必要があります。1回目は修繕する箇所が少ないかもしれませんが、2回目、3回目と修繕していくうちに劣化がすすみ修繕箇所も増えていきます。安心・安全・快適な暮らしを維持するためにもマンションは、定期的に大規模な修繕を行うようにしてください。1回目で修繕する箇所は主にタイルの浮きや外壁塗装、屋上の防水などです。2回目はエレベーターやオートロックなどの検査も必要になっていき、3回目になれば共有部分のリフォーム、耐震補強工事なども追加されてしまいます。費用負担も徐々に増えていくので修繕費などの積立額も検討するようにしましょう。

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マンション大規模修繕における共有部と専有部

マンションには「共有」「共用」「専有」「専用」などに分けられます。その違いについて詳しく説明できる人は少ないでしょう。ここでは、これらの言葉の違いについて紹介します。専有部とは個人が専有している空間のことで、窓やバルコニーは専有部ではなく共用部です。また玄関ドアの内側は専有部、外側は共用部になります。共用部とは区分所有者の全員が使用する空間のことで、専有部以外のすべての部分です。共用部分の中で特定の人だけが専用で使用できる部分のことを専用部分と言います。つまりバルコニーや居室の窓、駐車場、トランクルームなどがコレに当てはまるでしょう。区分所有者が共同で所有する部分のことを共有部分と言います。

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大規模修繕で入るべき保険とは

大規模修繕を行う場合、万が一のトラブルに備えて保険に入るのがオススメです。もしトラブルが起きた場合、何らかの対応を施工主側に請求しても適切に対応がなされないことがあるため、それを防ぐ手段として保険が重要です。大規模修繕工事瑕疵保険に入っていることで施工業者の倒産時にも保険を使用することができるため安心でしょう。大規模修繕工事瑕疵保険に加入する大きなメリットが第三者のチェックを受ける点です。この保険を利用するためには工事前の現場診断と、工事後の完了検査に合格することが保険に入る条件のため第三者の機関による診断が必須になります。大規模修繕工事瑕疵保険に加入している業者から、施工を依頼する業者を探しましょう。

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マンションは大規模修繕をしないとどうなる?

国土交通省のガイドラインでは、約12年に1度の頻度でマンションの大規模修繕をするように推奨しています。しかし東京都都市整備局によると2013年のマンション実態調査において3分の1程度のマンションが修繕を実施していないという報告も。大規模修繕を怠ってしまうとマンションの強度が低下するなど安全性の低下、排水溝の詰まりや雨漏りなど快適な生活の侵害のリスクを引き起こします。さらにマンションの資産価値も下げることに繋がるでしょう。最悪の場合には害賠償請求や死亡事故等にも発展しかねません。トラブルの悪化を防ぐためにも、早めに修繕を行うようにしてください。マンション大規模修繕は12年に1度のペースで実施するようにしましょう。

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マンション大規模修繕のリベートとは?

リベートとは、割り戻し金の意味があります。報酬金や謝礼金など名目ですが、代金の一部を支払ったものに対し、払い戻すこともリベートです。どんなパターンであっても住民にとっては必要以上に修繕費が高額になってしまい管理費が不足するなど、住民に経済的な負担になるためリベートの発生には注意が必要となります。リベートが疑われるような状況下で、適正な価格でマンションの修繕工事を行ってくれるとは思えません。管理会社やコンサルタント企業などを間に挟むと、仲介手数料やリベートが発生しやすくなるので、直接、信頼できる会社に相談するほうが良いでしょう。マンション大規模修繕を行う際には、損をしないように適正な費用なのかどうか厳しい目でチェックしてください。

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マンションのバリアフリー化はこうしよう!

バリアフリーに対応していないマンションは、住民が住みにくさを感じるだけでなく、訪問者にも不便さなどの影響を与えてしまいます。さらに資産価値も低下させてしまう恐れがあるため、早めにバリアフリー化の検討を行いましょう。バリアフリーとは、住民が快適にくらすための環境を整えるための工事のことです。一度に全てバリアフリー化にする工事を行う必要はありません。エレベーター設置など大規模なバリアフリー工事を行えば、高額な費用がかかってしまい、予算オーバーになるので注意しましょう。予算内で工事を進めるために、優先順位をつけ必要な箇所から工事を行うようにしてください。ゆとりを持って工事を行うことが大切です。

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マンションの大規模修繕で追加費用が必要な時は?

マンションの大規模修繕を実施する前に、見積もりを取りある程度の費用を把握するはずです。しかし、その見積もりはマンションが想定内の状態つまり不具合がないことが前提条件になっています。もしも想定外の状況が発生している場合には、当然追加の費用が発生してしまうでしょう。さらに悪徳業者の場合、見積もりは低価格で設定し、工事が始まった後で高額の追加費用を請求することもありトラブルの原因に。見積額の5~8%程度は追加費用が発生すると想定して予備費も考えておいてください。また、こまめに定期点検を実施することで、破損個所を最小限に食い止めるため無駄な出費を防ぐことができるでしょう。マンション大規模修繕をする際には、追加費用のことも考慮して計画を進めてくださいね。

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マンション大規模修繕で発覚する不具合

マンション大規模修繕で発覚する不具合とはタイルや建物内部についてです。タイルであればタイルの浮きなどがありますが、目地の施工不良があるケースもあり、そういったトラブルは専門家でなければ発見することは難しいでしょう。タイルよりももっと深刻な不具合が建物内部についてです。鉄筋の配筋不良、かぶり厚不足、構造(耐震)スリットの未設置などがあれば、建物の耐久性や耐震性の低下に繋がり安全な住宅とは言えなくなってしまいます。建物内部については素人でチェックするのは困難です。大規模修繕工事の際に診てもらうようにしてください。建築の専門家だからこそ発見してくれるでしょう。そのため大規模修繕工事を得意とするような建築会社に依頼することが大切です。

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大規模修繕しやすいマンションとは?

どんなマンションでも大規模修繕を必ず行う必要があります。ただマンションの状態によって、修繕費用が大きく左右されることを知っていますか?修繕をしやすいマンションであれば、修繕費用を抑えることができリーズナブルな価格で工事を実施することが可能です。たとえば敷地にゆとりがある、隣接する道路の幅が広い、マンションの形がシンプルなどの条件が当てはまると足場が組みやすいため、修繕がしやすくなります。反対に足場が組みにくいマンションは余計な日数がかかってしまい、人件費などが上乗せになってしまうでしょう。また戸数によっても費用負担は異なり、戸数が少なければ一人あたりの負担額は大きくなる傾向にあります。

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【番外編】次回修繕と建て替えのタイミング

どんなものにも耐用年数が定められています。しかし耐用年数イコール寿命という訳ではありません。税法上、使用に耐えることが出来る年数を耐用年数と言うため、耐用年数が過ぎたとしても、まだまだ安全に住み続けることができるでしょう。マンションの耐用年数は、SRC造やRC造で47年、木造で22年と設定されています。もちろんメンテナンスを全く行わずに、ずっと安心して暮らし続けられるわけではないでしょう。築年数が50年を超えるようなマンションであれば、建て替えも視野に長期修繕計画を見直すことが大切です。ただし建替えをしようと思っても、住民の反対などがあるためスムーズに進めるのは難しいでしょう。ゆっくりと住民同士で話し合い最善策を検討してください。

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タワーマンションの大規模修繕が難しい理由

タワーマンションは2017年ごろから大規模修繕工事のラッシュが来るとされています。しかし大規模修繕工事にかかる費用の積み立てが不足し、工事が行えない可能性が高いでしょう。工事が行わなければマンションから退去する人も増えてしまい、タワマン・クライシスと呼ばれる状況に陥ってしまいます。タワーマンションは戸数も多く、また世帯所得の格差も激しい傾向にあり、なかなか話し合いがまとまらずに不足した費用を徴収することも難しい状況になってしまうでしょう。そうならないためにも前もって話し合いを行うようにしてください。またタワーマンションの修繕工事に対応してくれる専門業者に依頼しましょう。廃墟化を食い止めるためにも、しっかり対策を講じることが大切です。

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大規模修繕の固定資産税減税とは?

築40年超えの老朽化したマンションが増えていく中、居住者や周辺地域の意住環境などが懸念されています。そこで政府は、2023年度税制改正大綱において、一定の条件を満たしている長寿命化してきたマンションの大規模修繕を行った場合、固定資産税を6分の1から2分の1の間で減額することを掲げました。

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大規模修繕とアスベスト調査とは?

アスベストは石綿とも呼ばれ、以前は保温や断熱、防音などを目的に数多くの住宅建築で用いられてきました。しかし健康被害を引き起こす可能性が高く、今では使用を禁じられています。そのため2005年よりも前に建築された物件にはアスベストが含まれているリスクが高いため大規模修繕工事の際に、アスベストの含有について検査を行う必要があります。もしも含まれていると分かった場合には何らかの対策を取ってください。ただしアスベストを除去する工事は、高額になってしまうこともあります。その際には必ず説明会を開き住民や周辺住民に理解し把握してもらいましょう。自治体によっては助成金を設けているところもあるため、自治体に確認してください。

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