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無駄を省いて費用負担のないマンション大規模修繕を施す

大規模修繕は費用も大規模になる!?

マンションの大規模修繕を行なうにあたって、最も気がかりなのが費用です。費用の問題を早急に解決しておくことが、大規模修繕をスムーズに進めるポイントとなります。ここでは大規模修繕の費用について掘り下げて解説します。

マンションの大規模修繕にかかる費用

マンションは劣化が進みやすい場所がある程度決まっており、それぞれ費用の見積りが決まっています。しかし、工事費用以外にも、足場設置費用や下地補修工事費用など、様々な費用が追加されるのです。マンションの大規模修繕にかかる大まかな費用目安として「マンションの部屋数×100万円」とされています。

また、単身者やファミリーといった住宅形式によっても、費用は大きく異なるので注意が必要です。 1つだけ言えるのは、マンションの大規模修繕は高額の費用がかかるということです。

見積りを請求する際は、劣化診断の結果に基づいた信憑性の高い見積りを出してもらうようにしましょう。

費用が工面できないマンションオーナーは意外と多い

大規模修繕にかかる費用は、マンション建築当初に設定した長期修繕計画に基づいた修繕積立金から工面します。しかし、時代と共に変化を遂げる社会情勢により、当初の計画では予算が追い付かなくなってしまっているケースも珍しくはありません。

そのため大規模修繕を行なう際に資金不足に陥り、費用の工面に悩みを抱えてしまうマンションオーナーは意外と多いのです。 国土交通省が発行している「マンション総合調査」で次のような結果が出ています。

★修繕積立金で工事費用をまかなえた人の割合

  • 修繕積立金でまかなえた割合:工事数
  • 100%:72.2%
  • 81%~99%:3.2%
  • 61%~80%:8.3%
  • 41%~60%:7.9%
  • 21%~40%:5.4%
  • 0%~20%:3%

参照:大規模修繕工事費に占める修繕積立金の割合(H15マンション総合調査)

このように約3割のマンションオーナーは、修繕積立金だけでは工事費を補えず、金融機関から借入れして補充しているのです。この返済金は、工事後の修繕積立金から工面されることになりますが、このサイクルでは負担が大きくなるばかりになります。

修繕費用が足りない場合の対処法とは

修繕費用が不足してしまった場合の対処法も様々です。万が一の時に備えて知っておいても損はないでしょう。

工事の時期を先延ばしにする

マンションは10年毎に修繕を行なうと言われていますが、あくまでもこの年月は目安にしか過ぎません。雨漏りといった具体的な劣化症状が見られないのであれば、工事の時期を先延ばしにしても問題ないでしょう。

工事までの期間を長く設けることで、修繕積立金も貯まっていきます。費用が十分に確保できてから、工事を再度検討しても決して遅くはありません。

工事内容を見直す

手間がかかるマンションの大規模修繕は、極力回数を減らしたいものです。工事のサイクルを長くするため、修繕する必要のない個所まで工事を施そうとする施工主は少なくありません。そのため、工事費用が高額になり予算超過になってしまうのです。

そうならないためにも、設計事務所などにコンサルを依頼し、必要最低限の修繕をプランニングしてもらいましょう。それだけではなく、見積りも複数社から出してもらうようにしてください。なるべく多くの検討材料を集めることが、修繕工事の適正を確保するポイントとなるのです。

金融機関からの借入れ

最も多いのが、金融機関から不足額を借り入れて、工事費を補充するケースです。現在ではリフォームを対象としたローン商品も数多く登場しています。 金融機関を利用する際は、個人ではなく管理組合として借り入れる必要があります。

そのため、総会の決議が必要となり、これを証する総会議事録の写しを提出しなくてはなりません。また金融機関で借入れしている以上、返済金には利子が発生します。利子の返済金を確保するためにも、修繕積立金の増額を実施する必要があり、住民の理解を得る必要があります。

住民から一時金を徴収する

住民から一時金を徴収し、不足額を補う方法もあります。しかし、一時金だけで不足額を補うには、住民の負担がとても大きくなってしまいます。一時金を検討する際は、金融機関からの借入れと併せて行なうようにしましょう。

一時金の徴収は、住民側とのトラブルに発展しやすい傾向にあります。また、徴収金額によっては全居住者からの徴収が難しくなるため、確実性のある対処法とは言えませんので注意してください。

長期修繕計画を見直すもの得策

資金不足が起こる大きな原因に、長期修繕計画の不備が挙げられます。末永く住めるマンションにするためにも、長期修繕計画はしっかり見直すようにしましょう。

長期修繕計画を正しく理解する

長期修繕計画とはマンションの性能維持、老朽化対策を行なうために、管理組合が設けた管理スケジュールのことを言います。修繕工事が必要となる時期や工事内容に伴った予算を予測し、工事までに必要となる修繕積立金の算出を行ないます。

大規模改修に必要となる資金を計画的に積み立てることで、管理組合・居住者双方の負担がない資金確保ができるのです。長期修繕計画は国土交通省の管理指針に規定されている、非常に重要な業務となります。

計画期間はどのぐらいを考える

計画期間はマンションの老朽化に合わせて設定されます。新築マンションの場合、築10年~15年で外壁や屋上の大規模修繕が必要です。また耐用年数が30年程度とされている、エレベーターや給水設備の更新も修繕積立金でまかなうことになります。

そのため、計画期間は20~30年程度を見込んで概算するようにしましょう。

変動が起こりやすい不動産は専門家の意見も参考にする

長期的な視野をもって設定する修繕計画ですが、不確定な事項により定期的に見直しを行なう必要があります。

★見直しを検討すべき不確定要素とは

  • ・マンションの劣化状況
  • ・経済、社会情勢の変化
  • ・物価、消費税などの変動
  • ・技術の発展による住宅性能の向上

このような変化は修繕計画に大きく影響します。そのため、5年に1度は改めて調査を行ない、修繕計画を見直すようにしてください。しかし、個人でマンションの状態や社会情勢を見通した、修繕計画を設定するのは非常に困難です。

マンション管理士や建築士といった専門家のサポートを利用することで、将来ビジョンを明確にした長期修繕計画が作成できます。

住民へ負担をかけない修繕積立金の設定も忘れずに

長期修繕計画の見直しを行なう際に、修繕積立金を値上げせざる得ない状況に直面することがあります。しかし、値上げ幅があまりにも大きいと住民が不満感を抱き、空室といったリスクが高まる恐れがあるのです。なるべく修繕積立金を値上げしないためにも、まずはマンションの支出を減らすようにしましょう。

マンションの支出を減らす方法

管理委託費を削減する

管理会社を利用している場合、管理委託費は大きな支出となります。だけど全てを自主管理にしてしまうと、管理に大変な労力を費やしてしまいます。見直しを行なう際は契約条件を再度確認し、無駄になっている部分だけを省くようにしましょう。

例として、管理人を常駐させていたマンションでは、勤務時間を短縮するだけでコスト削減になったというケースがありました。このように「なくす」のではなく「減らす」という考え方も非常に効果的です。

工事費を削減

大規模修繕を管理会社に委託すると、調査から工事までを一括して任せられます。とても便利なシステムですが、管理会社は下請けに工事を依頼するため、中間マージンが発生し工事費が高くなるデメリットもあるのです。

管理組合側で業者を探し、直接費用交渉を行なった方が安く修繕が施せるでしょう。現在では、一括見積りサイトなどで複数の見積りを、手軽に集められる時代になりました。管理会社に相談する前に一度、管理組合側で業者を探してみることをお勧めします。

工法によっては費用削減が可能

大規模修繕にかかる費用を削減する方法は数多くあります。その1つが工法です。外壁塗装などの費用がかかるポイントとして、足場の設置費用が挙げられます。しかし、近年では無足場工法を取り入れる業者も増えており、足場の設置費用が削減できるのです。

このように費用削減ができるポイントは多岐に亘ります。それぞれの違いを明確にしておくことが、大規模修繕を負担なく行なうためのポイントなのです。

 

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