ここでは小規模マンションで行われる大規模修繕の施工方法や手順の具体的事例と費用について解説しています。
小規模マンションというのは詳しく定義されているわけではないですが、概ね50戸未満のマンションのことを指すことが多いようです。
大規模修繕を行う場合、無駄な共用スペースがなく階数も低めなので比較的工期は短くて済みます。工事の総費用は低くなりますが、住民が少ない分1戸あたりの単価は高め(70~120万円)になります。
では小規模マンションでどのように工事が進められるのか大まかな流れを紹介しましょう。
資材置場や作業員詰所、トイレなど工事を行う際に共通して使用される仮設物を設置する工事です。小規模マンションの場合はそれほど大きなスペースを確保することは無いですが、住民への告知をしっかり行います。
大規模修繕では通常では手が届かない外壁を工事するため、作業を行うのに必要な足場を組むことが必要になります。鋼製の枠組み足場を設置するため金属音や固定するための音が発生することを周知します。
水の侵入や空気の通過を防ぐためにシーリング材と呼ばれるゴム状のものを外壁目地やサッシ廻りに埋める工事です雨漏りなどを防ぐ防水性と伸縮による建物を守る耐震性を高めるために行われます。
シーリング工事とほぼ同時に行われる工事で、建物本体のひび割れや鉄筋爆裂、浮きなどを補修します。後から行われる塗装工事や防水工事の仕上がりに影響するため丁寧に作業が行われます。
文字通り建物内の鉄でできている部分を塗装する工事で耐久性を高めるのが目的となります。錆落とし→錆止め→中塗り→上塗りという4つの工程で進められます。外壁塗装前に中塗りまでを終了させます。
外壁を高圧水で洗浄する工事で、長年の汚れを落とすのと同時に塗装材や防水材の密着をよくするために行われます。作業日数は2日程度で終わりますが、サッシ廻りから浸水することがないように慎重に行います。
建物外壁や廊下、階段内壁などを塗装する工事です。耐候性・耐汚染性を上げ建物を保護する目的がありますが、外観に影響する部分になるためどのような塗料を選ぶかは慎重に決めます。
雨水等の侵入や給排水等の漏水の防止を目的とするもので、バルコニー側の工事として一番最後に行います。様々な工法がありますが、通常はウレタン塗膜防水密着工法という防水材を床に塗る方法が採用されます。
バルコニーだけでなく雨水の侵入や漏水などが発生する可能性がある箇所についても防水工事を行います。防水工事は生活環境を守るという点で非常に重要な工事になります。
防水工事までが完了したら足場解体・共通仮設撤去をして工事終了になります。