マンションに住む場合「共有」「共用」「専有」「専用」などのフレーズがよく使われます。「よく聞くけれど、何が違うのかはっきりとは答えられない」という人も多いのでは。マンションの修繕が必要になる箇所について把握するためにも、一度しっかり整理して理解しておきましょう。
マンションなら部屋の内側の居住スペース、つまり「個人が専有している空間」が専有部です。区分された壁や床、天井などの内側部分が専有部になります。注意が必要な場所が窓・玄関ドア・バルコニーです。窓やバルコニーは、個人で使用している空間と思われがちですが、実は共用部になります。また、玄関ドアの内側は専有部、外側は共用部になるので注意しましょう。
区分所有者の全員が使用するような空間のことで、専有部以外のすべての部分が「共用部」です。たとえばエントランスホールやエレベーターホール、共用廊下、宅配ボックスなどが共用部扱いになります。
共用部分のうち特定の人だけが専用で使用できる部分のことです。つまりバルコニーや居室の窓、駐車場、トランクルームなどが当てはまるでしょう。この空間の日々の手入れや修繕は、専用使用している区分所有者が行う必要があります。しかし、共用部分とも言える空間のため、管理組合の許可なくリフォームなどを行うことはできません。また、災害時の避難経路にもなるため、物品をおく場合には注意が必要です。
区分所有者が共同で所有する部分のことです。共用部分であっても、区分所有者にとっては「所有物」扱いになるので「共有部」になります。
マンションの大規模修繕は安全に暮らしていくためにも、数年ごとに必ず必要になってきます。そのため管理費などによって、毎月積立を行っているのが一般的です。
基本的に大規模修繕が行われる箇所は共有部分。専用部分であれば自費で修繕していきます。
大規模修繕の対象となる共用部分は、
など。他にも電動式の駐車場なども修繕する場合もあります。
マンションの規模によってかかるコストが変わってきます。そのため一概にいくらとハッキリした金額は言えません。そのため相場は、参考程度に確認するようにしてくださいね。
吹きつけの壁かタイルかで全く費用が異なります。吹きつけの壁の場合、ひび割れが起こることもあるため定期的なメンテナンスが必要です。ひび割れを補修するために約1,700円/m、吹きつけの壁を塗装するために約1,850円/㎡かかります。
タイルの壁であれば、メンテナンスは必要ないでしょう。ただタイルの浮きや剥がれが起こる可能性もあるため注意して下さい。
マンションの様々な設備に鉄が使用されています。鉄は使用年数が経つと錆びる性質を持っているため、修繕が必要です。基本的に錆びを軽減するためにさび止めを塗っていますが、大規模修繕を行うときに鉄部分の確認・修繕も行いましょう。
玄関ドア枠であれば4,000円/戸程度です。他にも避難ハッチなら約3,000円/台が相場です。
屋上やバルコニーは、常に紫外線や雨風からの影響を受けています。そのためマンションの中でも劣化しやすい場所と言えるでしょう。アスファルト防水なら6,300円/㎡程度、ウレタン塗膜防水なら6,000円/㎡程度が相場です。
給排水管も重要なチェック箇所です。30年以上持つような材質もあるため、まずはマンションがどのような材質の給排水管を使っているか確認しましょう。給水管更新なら3,600円/m、排水管更新なら6,200円/m程度が相場でしょう。
大規模修繕で行う箇所は、共用部分です。そのため専有部であれば、自分で積み立てて修繕を行う必要があります。給湯器やキッチン、壁紙など10年前後で修繕が必要になるでしょう。毎月コツコツ積み立てて、万が一に備えるようにしてくださいね。