マンション大規模修繕に委員会って必要?

マンションの大規模修繕を実施するにあたって、委員会を立ち上げた方が良いということを知っていますか?スムーズに大規模修繕を進めるためにも委員会の仕組みや仕事内容など把握してくださいね。

修繕委員会とは

修繕委員会とは、マンションの住民がメンバーとなり構成し、理事会によって決議され設置される大規模修繕工事を進めていく委員会のことです。基本的に委員会は必ず設置しなければならない訳ではありませんが、大規模修繕を滞りなく進めるためには、委員会を設置するのが理想となります。

修繕委員会を立ち上げなきゃいけない理由

大規模修繕は10年に一度のペースで行われており、共有部分のメンテナンスや設備の修理、交換など工事の内容はさまざまです。さらに工事自体も3~8ヶ月程度長期間要してしまうため、工事の計画から施工が完了するまでに一年以上かかることがほとんど。

マンション内の取り決めなどを決定する理事会の場合、基本的に任期は1~2年程度です。そのため理事会で大規模修繕を取り纏めてしまうと、大規模修繕の計画途中でメンバーが入れ替わる事態に陥ってしまう事も多くスムーズに事が進みません。さらに理事会自体は工事以外にも別の案件も多いなどの理由もあるため、理事会ではなく修繕を専門とした委員会を立ち上げた方が楽になります。

また修繕委員会を立ち上げることで、住民が気付いた不具合箇所などを調査もしやすいでしょう。そのため委員会の立ち上げをおすすめします。

修繕委員会の仕事内容とは

修繕委員会を行う仕事は主に6つです。

  • 修繕工事が必要な箇所の調査や診断の実施
  • どのような工事を実施するかなど大規模修繕の計画
  • 費用と予算などの金額調整
  • 施工業者や監理者の選定
  • 打ち合わせ
  • 工事終了後のフィードバック

上記の内容が主になり修繕委員会で検討した結果を理事会に伝え、理事会で承認を得るという流れが基本的です。

修繕委員会の選定方法

大規模修繕を計画する時期には理事会から、マンション住民に対し募集をするようにしましょう。

委員会の人数はマンションの規模によって異なりますが、戸数の1~2割程度の人数を集める方が理想的です。例えば50戸以下のような小規模マンションの場合には5~10人程度、90戸以上の大規模マンションであれば10~15人程度がよいでしょう。

とくに専門知識を保有した人をメンバーに入れる必要はありませんが、もし建設や法務関係に詳しい人がいれば、メンバーに加わると専門的な視点でも考えることが出来ます。

ですが専門家を中心にメンバーを選定するのではなく、男女比率や年齢層、収入層をバランスよくメンバーにすることが大切です。著しく偏ったメンバー構成だと、決定内容に対し強い偏りが出てしまう可能性があります。その結果、他のマンション住民から不満が噴出してしまう事態になりかねません。声に出さない不満も蓄積されてしまうので、できる限りメンバーの選定はバランスを考えるようにしましょう。

修繕委員会に報酬は出すべきなの

修繕委員会に対し支払う報酬は、義務ではありません。しかし委員会は、修繕工事を円滑に進めるために多くの時間を割いてくれています。そのため身体的にも精神的にも負担は大きく、報酬は出した方が良いでしょう。報酬がゼロであれば、委員会になりたいと立候補してくれるひとも見つからないデメリットもあります。

さらに運営するにあたって、コピー機や自家用車の使用などをした場合には報酬ではなく、別途管理費の中から住民が負担した金額を支払わなければなりません。

トラブルを避けるためにも事前に経費となる支払いや経費にできる金額の上限なども、規約の中で決めておいた方がいいでしょう。